考察日誌

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シングルバトルの戦略比較

コンセプト段階
・遂行優先:対面構築、積みサイクル、全抜きギミック軸、攻撃寄りサイクル軸
・役割優先:受けループ、TODギミック軸、受け寄りサイクル軸

遂行優先の評価
メリット
・追加効果や急所などの運要素は殆ど遂行側に有利となるよう働くため所謂運勝ちを引き寄せ易い
・積みなどによる強化行動は一貫しやすいため、強化合戦に勝つことは基本的には対戦で勝つことと同義に近い
デメリット
・基本的に回復をしないことからサイクル戦などのダメージレースは不可逆変化となり、戦況の立て直しのしにくさから毎回の行動は結果としてリスクが高いことになる
・役割対象ではなく遂行対象に攻撃が当たる前提である為不確定要素が多く安定しにくい

役割優先の評価
メリット
・回復を含めて1回の対戦での行動回数が多くなり易く、戦況の立て直しがしやすいためリスクが少ない
・遂行の方法が毒などの状態異常や定数ダメージであることが多く最初の遂行以後は役割と遂行を同時に行うため択の不確定要素を排除して安定しやすい
デメリット
・役割行動のたびに追加効果や急所などの運要素が作用する可能性が高まり、相手の役割破壊のチャンスも複数回与えることになる
・防御主体の積みなどの強化行動が一貫しにくいため相手の交代で容易く遂行されてしまう



各戦略の分析

対面構築:構成された6匹各々の対応範囲を最大限に広げ、役割行動を最小限に押さえることを目的としている
その根底には役割行動そのものが弱いとする思想が見受けられる
尚現在は受けループや受け寄りサイクル軸の存在から、対応範囲の拡大のみでは遂行が不十分であり選出段階から腐ることが増えたため積みの強化行動などで崩しを強める傾向にある

積みサイクル:積み展開の連続で遂行対象を疲弊させ、後続の駒で突破を狙う
S上昇させる積み展開が多いことから、一度有利になった戦況は覆しにくいため逃げ切りがしやすい
完全な積みサイクル型のパーティは勢力を落としたが対面構築や全抜きギミック軸、攻撃寄りサイクル軸などにその考えが取り入れられることは少なくない

全抜きギミック軸:基本的に1匹の全抜きを残りに2匹でサポートする、または1匹のサポートで全抜きし、展開が止まった先に対面性能が高い駒を置いてとどめを刺す構成など
バトンギミックなどがこれにあたり、これに対する相手の動きは一般的な役割行動ではなくメタ行動に絞られる
そのため相手の手を読みやすく、構築段階で想定しやすい
しかし現在は汎用メタ行動に分があることが多く、ギミック軸は一定の勝率以上は望みにくい

攻撃寄りサイクル軸:役割行動よりも遂行行動に重点を置いたパーティは経験則的な役割破壊行動で遂行対象を1サイクル目から崩しにかかることが多い
そのため知識と経験次第でプレイヤーの勝率も変わる
現在のレート上位陣のパーティは大方これに分類されるだろう


受けループ:遂行行動を殆ど行わず役割行動の連続で通常のダメージレース以外に、
相手の有効打へのPP枯らしやTODを狙う
これは役割理論の究極とも言える戦略であり、基本的に役割理論通りのダメージレースを続けた先には受けループ側有利な戦況しか存在しない
そのためこの構築を崩すには不安定とされる役割破壊行動や積みなどの強化行動、択合わせ以外の方法は通用しない前提である
しかし現在の環境とカードプールでは崩しが優勢な状態になっているため、理論通りな受けループは構築出来ない
そして環境に適応させるための受けループの膨大なノウハウを習得するには一般的な構築よりも更に時間がかかるため使用するプレイヤーが育ちにくいのも環境全体での使用者が少ない原因ではないか

TODギミック軸:専ら受けループに身代わり回復や縮小などのロックギミックを多く搭載したパーティであることが多い
しかしメガゲンガーの滅びの歌や挑発道連れなどで破綻しやすく、30分の20ターンでは相手のメタ行動も抑えきれないことも多い為、全抜きギミック軸と同様一定以上の勝率を出すのは困難

受け寄りサイクル軸:ゴツゴツメットや鮫肌、蜻蛉返りやボルトチェンジなどで遂行し役割優先させた構築
威嚇なども使い、タイプ受けを多用することが多い
そのため役割破壊行動に極めて弱く立ち回りの中で相手の型や技構成を見極めていく必要があり、攻撃寄りサイクル軸と同じく知識と経験を含めた実力が問われる
しかしこの戦略で構築すると遂行力が疎かになりがちであり対受けループで困難になる可能性が高い
しかし現在の環境では対応範囲を限定して構築することでレート上位陣の構築にだけ高勝率を出すことも可能である


総括
役割優先筆頭の受けループで理想形が構築出来ない以上、対応範囲は自ずと遂行優先志向の方が広くなる
イメージは、遂行優先が対応範囲を出来るだけ大きな袋のようなもので囲い込もうとするのに対し、役割優先は最初から存在する巨大な袋に付いた無数の穴を一つずつ塞いでいこうとするものであると考えている