考察日誌

Twitterでは語りきれない考察を書き留めます

Geek型対面構築についての考察

オリジナルは以下に記載されているパーティとする
http://geek1020.hatenablog.com/entry/2015/03/21/224742

基軸を

ガルーラ@ナイト
ガブリアス@スカーフ
ファイアロー@珠

とする

それに加え、準基軸に入る駒が

ギルガルド@残飯

であることは、Geek型対面構築を使用したことのある人には大筋理解して頂けるだろう

では、残りの低選出率枠をどうするか(またはガルーラの型をどうするか)がGeek型対面構築を組むにあたっての課題であることも共通の認識だと考えている


ここで、メタ思考に切り替えて考える

一般的にGeek型対面構築で先発から課題に上がるのはガルーラガブリアススイクンであり、また相手のファイアローに剣舞する隙を与えれば崩壊するためGeek型対面構築オリジナルはミラー軸を全く意識出来ていない

これもGeek型対面構築で一般的に指摘される批判である

そこで、逆にGeek氏がシーズン8で何故勝てたのかを考える

私はGeek氏がシーズン8で勝てた理由の1つとして、基本軸選出時に後続のゲンガーとスイクンを見せポケとして常に考慮させていたのではないかと考えている

パーティの内容が割れていなければ、相手のガルーラガブリアスは此方のゴツメスイクンメガゲンガーを考慮させられ多少なりとも不自由な行動を強いられる
その不自由な行動選択時に2150以上の高レート帯のプレイヤー達は初手から思い切った行動が出来なかったのではないか

例えばGeekガルーラ対一般的な陽気ASガルーラの先発対面時
陽気ASガルーラ側は後ろのスイクン(ガブリアス)がゴツメである事やギルガルド(珠ゲンガー)の存在を考慮して初手メガシンカ猫騙しをするにはリターンが少ない

それを考慮した上で陽気ASガルーラ側が取れる行動で有力な行動択を場合分けして挙げると
①交代(ゴツメ、ゴースト)
メガシンカして捨て身
メガシンカして猫騙
メガシンカして地震
メガシンカせず捨て身
の5つになる

①が最も手堅く安定する行動
ゴーストならば有利対面に持ち込める可能性が高く
ゴツメならば仮に此方が203ガルーラ系統のHA基調グロ捨て身型だとしてもゴツメで此方のガルーラ消耗させれば次の陽気ASガルーラ猫騙しなどの先制圏内に入るためリスクが少ない

②は陽気ASガルーラ側もゴツメ持ちを匂わせる個体を所持しており、相手も猫騙ししてこないとする前提での後続ゴツメスイクン潰しの行動
シーズン8当時スイクンは凍える風採用率が高くSは凍える風1回でS169ガブリアス抜きのS113H207B176が多かった背景をも考慮すると陽気ASガルーラでも十分スイクンを潰しに行ける
しかし、仮に此方のガルーラがHA基調であった場合は、捨て身の反動が先に入った後での返しの捨て身で相打ち又は突破されてしまう

③は此方が当時流行していた珠ゲンガーでない又はメガシンカせずの捨て身を考慮して居座る、スイクン交代も考慮しての猫騙し以外の行動を採ると予測した上でのかなり強気な行動
成功した場合のアドは次のターンに此方のガルーラが捨て身圏内且つスイクン交代にも捨て身2発圏内の一貫が作れるためリターンは十分と言える
ゴースト2匹、ゴツメ濃厚1匹の此方のパーティに対してこの行動を取るプレイヤーがどのくらい存在するかは把握出来ないが上位層では少数派であると私は考えている

④は此方がメガシンカして捨て身を打ち、不意打ちを持っていない場合とギルガルド交代には有効、スイクン交代にもゴツメの定数ダメを受けずに削れて有効な択である
ためサイクルを回す前提ならばこの択を選択するプレイヤーも存在するのではないか

⑤これは当時珠ゲンガーが流行していたことへのピンポイント気味なメタ行動
珠ゲンガー交代でなくガルーラ居座りへのリスクが非常に高く、当時でなければこの行動は考慮にはあまり入らない

以上5つの相手ガルーラの行動を考察した上で此方のガルーラで最も有力な行動はメガシンカしての捨て身であると考えている
これならば①には意地補正の火力であるためアド損になりにくく、②にはメガシンカ同士の相打ちとなるため後ろのアローとスカガブが通りやすくなるため有効、③は相手が陽気ASと断定出来る情報が得られ、猫騙しを受けた次のターンにガブリアス交代で相手のガルーラのHPを削り、不意打ち又は次のガルーラ交代を考慮したファイアロー交代へと手が続き、④の場合は中乱数で相手のガルーラを突破可能、⑤の場合も同様に相手のガルーラを突破可能

この通り相手のガルーラの行動ほぼ全てに対して五分以上の択を選べている

これは此方が意地補正ガルーラであることから得られた局面想定であるため
Geek氏の構築が結果的にも理に適っていたと言えるのではないか

また相手のガブリアス先発に対する行動についてもメガシンカしての捨て身が中乱数での突破であるため、岩雪崩採用しての5割突破を許容するスタンスとしては正しいことになる

他にも、先発スイクンには猫騙し→地震→捨て身で熱湯の3割を引かなければ突破出来る
このことから、ガルーラミラー対面で相手が引いた場合にゴツメ持ちがスイクンであると想定した時は此方のガルーラ猫騙しから入っても良いことが分かった

実際Geek型対面構築のオリジナルを、ガルーラ猫騙し+珠ファイアローのブレバでガブリアスガルーラを突破する想定など様々な角度から計算をしていると、5割程度の勝負になることが非常に多いことが分かった
実に興味深い結果だが、Geek氏はガルーラの岩雪崩だけでなくダメージ乱数や相手の追加効果、技外し、択当てなど全てを含めて5割択を多用していたと考えられる

これでは実際の勝率8割についての説明が付かない

そこで更に踏み込んで考えると、Geek氏の多用する5割択は数が多いものの序盤に多用する局面想定が多く、また成功すればリターンが大きいため一気に有利な局面へ移ることが特徴

仮に、そこでこの全ての要素を含む5割択を2回試行し、そのどちらかが通れば勝てると考え、どちらも通らなければまた2回試行して次はどちらも通った時のみ勝てるとしたシンプルなゲームモデルに置き換えて考えてみると勝率は81%にまで上がり、実際のGeek氏の勝率に近いモデルとなるがここでのモデルにもたいして意味はない

こういった戦略モデルの詳細な確率論的考察は以下の理論をベースとした上で論文並みの考察が必要になるそうで、ややこしくなるので割愛 http://www51.atpages.jp/shingaryu/数値計算ポケモンのパーティを作る/


ここで話を戻し、基軸3匹と準基軸1匹に残り2枠をどう付けるかを考察する

私が今日まで様々なGeek型対面構築の亜種を見てきた中で多かった並びを挙げると

ⅰゲンガー+化身ボルトロス
ⅱゲンガー+霊獣ボルトロス
ⅲゲンガー+水ロトム
ⅳゲンガー+ソーナンス
ⅴ化身ボルトロススイクン
ⅵ霊獣ボルトロススイクン
ここからガブリアス→霊獣ランドロスにした上で
ⅶゲンガー+スイクン
ⅷゲンガー+化身ボルトロス
ⅸゲンガー+水ロトム

など

ゲンガーは明らかに対受けループへの駒であり、それを化身ボルトロスや霊獣ボルトロスで代用出来るなら電気+水の並びで相手のガブリアスファイアロースイクンなどに強くするのも良いだろう

また、ゲンガーを残す場合はファイアローバンギラスなどの処理に困ることが多く、オリジナルのゲンガー+スイクンで妥協させるか水ロトムを採用してファイアローをメタり、後攻ボルチェンなども視野に構築の幅を効かせているプレイヤーも多い
しかし水ロトムにするとスイクンよりもゴツメ警戒を甘くさせてしまい、後出しガブリアスガルーラへの回答や選出圧力も弱めてしまう

霊獣ランドロスは、元々のガルーラガブリアスファイアローなどに弱い部分をこの枠で解消しようとした例だろう
Geek氏によれば、このパーティは対面構築でありながらサイクルを回す前提なので、サイクルでアドを取りやすい霊獣ランドロスは上手く入る
ただしスカーフまたはチョッキが前提で、それ以外のゴツメなどではHD基調でエッジ持ちでなければ相手のボルトロスに後出し出来ないため地面枠本来の使い方が出来ない

ゲンガーに関して実際に自分で使用した経験からは身代わり滅びのHSメガゲンガーでの運用が扱い易かった
これならば受けループに勝てる駒が揃うのとピクシーやバトンなどのギミックにも対応出来る
他にも珠ゲンガーや襷ゲンガーでの採用も散見されている
その場合は残りの1枠で受けループやギミックに相手の出来る駒を用意する必要がある

長くなってしまったが、以上のことを踏まえて私的にGeek型対面構築を作るとすれば今は以下のようになるだろう

ガルーラ@ナイト 181-194-120-*-120-152
猫 捨て身 地震 岩雪崩

ガブリアス@スカーフ 183-200-115-*-106-154
逆鱗 地震 エッジ 炎牙

ファイアロー@珠 185-146-91-*-89-147
ブレバ フレドラ 剣舞 羽

ギルガルド@残飯 161-49-171-88-172-107
シャドボ 毒 身代わり キンシ

ゲンガー@ナイト 135-*-114-209-115-200
シャドボ 気合玉 滅び 身代わり

ロトム@チョッキ 157-*-174-125-128-99
ボルチェン ハイポン めざ炎 イカサマ


ガルーラ
原型通り
強いて言えばリザードンXとの同速勝負も意識してのAS

ガブリアス
原型通り
特に意識すべき調整先が無く、ストッパーとしての役目からASどちらも削れない

ファイアロー
原型のS振りよりもHを伸ばした方がより動きやすいためHA

ギルガルド
原型通り
これは用途からすれば変えようがない

・ゲンガー
型を大きく変えた
まず受けループ対策を講じるには身代わりと滅びが確定であり、道連れを使う機会がなかっため、バンギラスなどを想定して身代わりを張った際に突破力を付けるために気合玉を搭載しC209を確保しつつ残りをBに振れば意地HAファイアローの珠ブレバを確定耐えする

・水ロトム
スイクン枠からの変更
チョッキにすることでボルトロスなどの電気ミラーでの打ち合いを助け、ゲンガーの鬼火祟り目への安定、サザンドラへの後攻ボルチェンなども視野に行動出来る
ほぼナットレイ専用だがめざ炎が上手く入りイカサマも鬼火が無い代わりに対ガルーラボーマンダガブリアスなどで上手く使える